酒田港線
酒田港駅と国立食糧倉庫跡 |
酒田港を訪れたときに周辺を探索して回ったのですが、そのとき目にしたこの食糧倉庫跡の重厚で一見不気味な姿に思わず目を奪われました。正式名称を山形食糧事務所酒田倉庫と言うようで、ご覧の通り使用されなくなってから長い歳月が経っている事はすぐに見て取れます。
いつからこの地にあるものかも判りませんが、この建物が戦時中も存在していたという事だけは確証が持てました。それを判らせてくれるひとつの証拠が壁面に今も残る雲形迷彩です。
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酒田港駅側正面
同じ形の建物が縦に3棟,横2棟ずつに配置されています。そして写真で見える2棟の間にかつては2本の引込み線が酒田港駅から延びていたようです。 |
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食糧倉庫専用線用門
酒田港より延びた線路はここより食糧倉庫の敷地内へ入り込み、敷地内で2本に分岐しています。 |
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雲形迷彩
軒の上の壁面に黒い斑模様が描かれています、何も知らない人が見たら汚く不気味な壁にしか見えないでしょう。
しかしこれこそが戦争の歴史の生き証人である雲形迷彩です。この姿を見ると当時のこの建物の重要性を感じ取れます。 |
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側面
軒の柱が整然と並んでいます。 |
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終端側
木製の車止めが2つ草むらからヒョッコリ顔をのぞかせています。 |
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左上:棟と棟の間
壁にびっしりと張ったつたがいい雰囲気です。
右上:サーチライトと丸いフタ
左:「たばこのむな」
これらも歴史の古さを感じさせます。今では滅多に使われることが無くなった「煙草をのむ」と言う表現の仕方がいいアクセントですね。
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参考文献
・プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑 吉岡心平 著 :ネコパブリッシング
・鉄道模型趣味2002年11月
「ストラクチャー雑感 戦時迷彩の残る農業倉庫」 小林信夫 著 :機芸出版社
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