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Latest Update 2004/08/06

西武 E51形 E52

実車について西武E51形は大正12年に鉄道省が輸入したスイスBROWN BOVERI社製の機関車(1020形=のちにED12形に改称)を昭和30年に国鉄から払い下げられた車両で、西武鉄道入線にあたって国鉄大宮工場で前面左に窓を取り付けたり、軸重を軽減するために機器の交換、撤去するなどの改造を受けました。旧型電機の中ではE61に次ぐ高出力機で、軽貨物列車からセメント列車まで幅広く活躍し、長いひさしや絞り込まれた前面などスイス電機らしいスタイルで人気を博しましたが、昭和51年にE51が廃車解体され、昭和61年にE52も廃車されました。幸いE52は解体を免れ、現在も美しい姿で横瀬基地に静態保存されており、鉄道の日イベントでその姿を見ることができます。

西武 E51形 E52

ワールド工芸の西武鉄道E52キットをストレートに組んで仕上げました。さすがNゲージブラスキットの老舗ワールド工芸、独特のスタイルも手際よく再現されています。基本的に素組みですが、省略されているエアタンクの配管やワイパーなど追加改造してあります。なおDCC運転に対応させるため、車内にデコーダ(DZ123)を組み込んであります。

1-3位側

車体は曲げ済みで、絞り込まれた前面とひさしのリブは別体になっています。組み立てのポイントは前面の角度出しと、隙間無く接合することでしょう。なおこちら側だけに梯子がつくので、組み立て時に1・2エンドの前面を間違えないように注意が必要です。

2-4位側

白文字の「E」はなかなかないので探すのに苦労しましたが、横浜システム技術研究所から機関車汎用車番インレタセットの白が出ていたので、これを使用しました。社紋はGMの西武旧型車用です。エンド標記は末期の姿を再現したので、キシャの電車用インレタに含まれる位置標記の@とAを使用しています。

屋根

このキットにはホイッスルが含まれていないので、今回は銀河のN-024を使用しました。ロストワックスのパーツに比べればディテールは落ちますが、4個で300円ですし、ディテールもこれで十分です。ヘッドライトは付属品ではなく銀河の100w用を使用してディテールアップしています。キットに付属するヘッドライトはレンズが無く、見た目が今ひとつです・・・。無線アンテナはカトー分売パーツのE851用で、屋根のカーブに合わせて台を少し丸く削り、植え込んだ真鍮線をガイドにして接着剤で固定しました。エアタンクの配管はφ0.4の真鍮線を曲げたものです。

なお、ランボードの足は取れやすいので、組み立ての際はご注意を・・・

前面、デッキ周り

繊細なデッキも全てエッチング板で構成されています。これは黒く塗装した後、手すり部分だけ筆で白く塗装してあります。黒に白という順番なので隠ぺい力が鍵になりますが、白に微量の銀を混ぜることで隠ぺい力を大幅に改善することができます。現在ではGSIクレオスより隠ぺい力が強い「ベースホワイト」が出ているので、こちらを使うのも手です。

テールライトは説明書の指示どおり付けようとすると車体に引っ掛かってしまいます。これは明らかに設計ミスでしょう。結局私は真鍮板から幅2mm、高さ1mm程度のステーを切り出し、それを介してライトをつけました。ワイパーは西武401系の余りのパーツです。

参考文献
 ・西武の赤い電機    後藤 文男 交友社 平成11年

 ・復刻版 私鉄の車両6 西武鉄道    NEKO PUBLISHING  平成14年 

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